プロフィシェンシーとは「習熟」「熟達」「実践力」「問題解決力」などと訳され、非常に広義の概念であります。
言語教育以外でも、以前は「パソコン検定試験」と呼ばれていた試験が「ICTプロフィシエンシー検定試験」と改名し「ICTを活用した問題解決力を問う」試験として実施されているそうです。
言語教育においては上記の概念をふまえ「ことばを介して、いま、ここで何がどの程度できるか」という熟達度を示すものということができます。日本語能力試験は「Japanese-Language Proficiency Test」であり、課題遂行のための言語コミュニケーション力を測定する試験です。
米国外国語教育協会(ACTFL)によって開発された外国人の口頭能力を測定するOPI(Oral Proficiency Interview)ではテスターと最長30分の対話形式のインタビューを行い、その発話を元に学習者のプロフィシェンシーを初級(上中下)・中級(上中下)・上級(上中下)・超級・卓越級の11段階で評価します。(ACTFL Proficiency Guide Line 2012)
OPIでは決まった質問項目はなく、発話から出てきたものを取り上げ、タスクの難易度をテスターが見極めながら、被験者の上限と下限を探り評価を行うところに特徴があります。知識ではなく実際に産出される生の発話からプロフィシェンシーを捉えます。
日本語教育においても90年代頃から日本語学習者に対するOPIが行われるようになり、口頭会話能力の重要性とともにプロフィシェンシーの考え方が広まっていきました。日本語プロフィシェンシー研究学会を中心にさまざまな分野でのプロフィシェンシー研究が行われ、現在では「読む」「書く」「聞く」「話す」の4技能についてだけではなく、談話や教室活動、第二言語習得研究、日本語教員養成、さらに多文化共生にまで幅広くプロフィシェンシーという概念について活発な議論や実践が行われています。
ミャンマーの日本語教育に目を向けますと「日本に留学する」「日本で働く」「日本で生活する」また「ミャンマーの日系企業で働く」といった目的で多くの方々が日本語を学んでいます。しかしながら、実際に日本人との接触場面で「日本語を使うこと」つまり日本人の発話を聞き、コミュニケーションがしっかりとれるようになるという力というのは日本語能力検定のグレードに比して十分ではないと感じることが多々あります。
これからのミャンマーにおける日本語教育に求められていることは、現実場面で「日本語で考え、日本語を使える」ようになることであり、その課題達成のためのプロフィシェンシーをどのうように向上させていくかということです。
TCIJPは「プロフィシェンシーを伸ばす・育てる」をキーワードにミャンマーの日本語教育にアプローチしてまいります。